2016年4月2日〜6日に米国カリフォルニア州パサデナ市で国際会議SpringSIM2016(主催はSociety for International Modeling and SImulation)が開催され,社会人ドクターの学生として在学中の大学院学生小林君が,"TRISim: a System to Exploit and Assess Triage Operation for Hospital Managers"というタイトルで,この1年間の研究成果を発表しました.本研究は,大規模災害が発生した際に実施する病院内トリアージに関して,最適なトリアージ方法,病院内施設数,医療従事者数等を求めることを目的としたシミュレーションシステムに関するもので,将来病院経営者が利用することを目的としたものです.専門家の方からはとても良い質問をしていただき,最終的には"...that's so cool! (カッコいいネ)" とコメントをいただいたのが印象的でした.
本研究で試作したTRISimの病院モデル,公刊論文を元に日本の一般的な病院を再現しました
国際会議The 24th IEEE Asian Test Symposium(ATS2015)及びThe 16th IEEE Workshop on RTL and High Level Testing (WRTLT2015)が2015年11月22~26日にインド・ムンバイ・INDIAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY BOMBAYで開催され,数理情報工学専攻の大学院博士前期課程2年の増田哲也さん(細川研究室所属)の論文 "A Test Generation Method for Data Paths Using Easily Testable Functional Time Expansion Models and Controller Augmentation”(ATS2015発表),大学院博士前期課程2年の坊屋鋪知拓さん(細川研究室所属)の論文" A Sequence Generation Method to detect Hardware Trojan Circuits "(WRTLT2015発表),大学院博士前期課程2年の高野秀之さん(細川研究室所属)の論文"A Fault Diagnosis Method for a Single Universal Logical Fault Model Using Multi Cycle Capture Test Sets "(WRTLT2015発表)が採択され,発表しました.
国際会議The 16th IEEE Workshop on RTL and High Level Testing (WRTLT2015)が2015年11月25~26日にインド・ムンバイ・INDIAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY BOMBAYで開催され,前年度のThe 15th IEEE Workshop on RTL and High Level Testing (WRTLT2014, IEEEの主催で2014年11月19・20日に中国・杭州・Hangzhou Jinxi Hotelで開催)で細川研究室から発表した論文"A Scheduling Method for Hierarchical Testability Using Results of Test Environment Generation"(Jun Nishimaki, Toshinori Hosokawa, and Hideo Fujiwara)がBest Paper Awardに選ばれ表彰されました.細川研究室から初めて国際会議の賞をいただきました.
7月20日から25日に米国・ネバダ州・リノで開催中の国際会議ICCES 2015に数理情報工学科から3名の先生方が学生の皆さんとの共同研究の成果を発表するため参加されています.21日には角田先生が"Complicated Fluid Flow Simulations by Particle Methods Using Hyperbolic-type Kernel Functions"というタイトルで粒子法による流体シミュレーション法とその成果について発表されました.会場からは実行環境や性能に関する質問が出た他,他の発表者に対する質疑応答の中では格子法(メッシュを用いる方法)と粒子法(メッシュを用いない方法)の双方がこのセッションでは成果が発表されていて大変興味深いとコメントされた先生がいました.
22日には古市先生と伊東先生がそれぞれ"Efficient Load-balancing Scheme for Multi-agent Simulation System"(マルチエージェントシミュレーションの並列実行に適した動的負荷分散方式とその評価結果),"Investigation of Shape Functions for Meshless Time-Domain Method in Electromagnetic Wave Propagation Simulation"(電磁波伝播解析へのメッシュレスタイムドメイン法の適用と評価結果)に関して発表されました.
23日のプレナリーセッションでは授賞式が行われ,角田先生はこれまでの粒子法に関する研究が評価され,ICCES Distinguished Fellowsの賞を受賞されました.
システム,LSI(大規模集積回路)の設計自動化,テスト,組込みシステムに関する欧州最大の国際会議The 18th Design, Automation & Test in Europe(DATE2015, IEEEの主催で2015年3月9~13日にフランス・グルノーブルで開催)における付属のワークショップDesigning with Uncertaintyで,数理情報工学専攻の大学院博士後期課程3年の山崎紘史さん(細川研究室所属)の論文 "A Multi Cycle Capture Test Generation Method for Low Capture Power Dissipation "が採択され,発表しました.さらに2nd Workshop on Design Automation for Understanding Hardware Designs (DUHDe)で,大学院博士前期課程2年の西間木淳さん(細川研究室所属)の論文"A Binding Method for Hierarchical Testability Using Results of Test Environment Generation "が採択され,発表しました.
国際会議The 15th IEEE Workshop on RTL and High Level Testing (WRTLT2014, IEEEの主催で2014年11月19・20日に中国・杭州・Hangzhou Jinxi Hotelで開催)で,数理情報工学専攻の大学院博士前期課程2年の平井淳士さん(細川研究室所属)の論文 "A Simulation Based Low Capture Power Test Generation Method Using Capture Safe Test Vectors "と大学院博士前期課程2年の西間木淳さん(細川研究室所属)の論文"A Scheduling Method for Hierarchical Testability Using Results of Test Environment Generation"が採択され,発表しました.
平井さんの発表内容は,デジタル情報機器に搭載されているシステムLSI(大規模集積回路)の低消費電力テストに関するもので,低消費電力なテストパターン集合からデータマイニングしたテストパターンと故障を検出する決定論的なテストパターンを融合し,低消費電力な状態で故障を検出するテストパターンを合成するアルゴリズムに関するものです.高消費電力な状態でシステムLSIをテストすると,不良品を良品と判定する誤テストを引き起こすことになります.提案したアルゴリズムを用いると従来手法と比較し,最大300倍高速に低消費電力な状態で故障を検出するテストパターンを生成することができました.
西間木さんの発表内容は,システムLSIの上流設計工程で,テストパターンの生成が容易になるようにテスト容易化を考慮した動作合成アルゴリズムに関するものです.動作合成とは,C言語など を用いてハードウェアの動作を記述したものからレジスタ転送レベル回路を生成するソフトウェアです.西間木さんは昨年度も国際会議で発表しており,その時に動作合成の中のバインディングという動作記述の変数や演算をレジスタや演算器に割当てる処理についてテスト容易化を考慮して行うアルゴリズムを提案しました.今年度は,そのバインディングの効率を高めるためのスケジューリングという演算を実行する時刻を決定する処理についてテスト容易化を考慮したアルゴリズムを提案しました.テスト容易化を考慮した回路を合成することに より,テスト品質の評価尺度である故障検出率が大幅に向上したことを示しました.
国際会議The 14th IEEE Workshop on RTL and High Level Testing (WRTLT2013,IEEEの主催で2013年11月21・22日に台湾・宜蘭・Evergreen Hotelで開催)で,数理情報工学専攻の大学院博士前期課程2年の 兒玉雄佑さん(細川研究室所属の論文 "A Controller Augmentation Method to Generate Easily Testable Functional k-Time Expansion Models for Data Path Circuits"と大学院博士前期課程1年の西間木淳さん(細川研究室所属)の論文"Functional Unit and Register Binding Methods for Hierarchical Testability"が採択され,発表しました.]
兒玉さんの発表内容は,デジタル情報機器に搭載されているシステムLSI(大規模集積回路)のテストパターンを生成するための回路モデル生成アルゴリズムに関するものです.システムLSIは製造後にその品質を保証するためにテストを行う必要があります.その際に使用する0と1の値で構成さ れるテストパターンを効率的に生成するために提案した回路モデルが非常に有効であることを示しました.
西間木さんの発表内容はシステムLSIの上 流設計工程で,テストパターンの生成が容易になるようにテスト容易化を考慮した動作合成アルゴリズムに関するものです.動作合成とは,C言語など を用いてハードウェアの動作を記述したものからレジスタ転送レベル回路を生成するソフトウェアです.テスト容易化を考慮した回路を合成することに より,テスト品質の評価尺度である故障検出率が大幅に向上したことを示しました.
米国ワシントンDCのホワイトハウスの隣接会場(JW Mariotto)で2013年12月8日から11日に開催された国際会議 Winter Simulation Conference 2013で,大学院の学生倉本君が"FUSE: A MULTI-AGENT SIMULATION ENVIRONMENT"というタイトルでポスター発表を行いました.当国際会議は主として社会現象等を対象としたシミュレーション技術に関する世界最大の会議で,約39カ国から約800人の参加者が集まり,約350件の発表が3日間に渡って行われました.倉本君は人間の組織行動をコンピュータ上で再現するためのソフトウェア環境FUSEを構築し,これに関する実現方式と応用例を発表しました.
国際会議BMD2013が11月10日(日)から13日(水)に生産工学部で開催され,11か国から約150人の研究者が生産工学部へ集結しました.数理情報工学科の先生は実施委員長及び実施委員として1年前から準備をすすめてきました.10日(日)は一般公開日で,自転車の起源となったドライジーネ等が展示された他,未来の乗り物を思わせるUNI-CUBには試乗もできました.数理情報工学科の学生は国際会議のロゴデザイン,ポスターやバナー等を作成をはじめ,学会のホームページの作成と運営等を行った他,会期中はUStreamによるインターネット中継も学生が行いました.
ショットガンセッションチェア中の古市先生
11月11日(月)の晩はBMD2010が開催されたオランダの大使公邸へ招かれました
オランダ大使公邸でのパーティへは,オランダから数理情報工学科へ留学中のスティーブンも招かれました
数理情報工学科と学術協定を本年締結した台湾の中国科技大で2013年6月6日に開催された国際会議ITAC2013に古市先生が招待講演者として招かれ,"How to Succeed in Serious Game Development"というタイトルで,シリアスゲームの構築法とこれに基づいて学生が開発したシリアスゲームの数々を紹介しました.当日中国科技大では卒業研究作品展をやっており,最後は学生達の卒業写真撮影に交じって一緒に写真を撮ってもらいました.
角田教授と古市教授が2013年5月24日~27日に米国・シアトルで開催された国際会議ICCNでそれぞれ研究成果を発表しました.角田先生の発表タイトルは"Three-dimensional Fluid Flow Simulations Using GPU-based Particle Method"で,粒子法に基づく流体シミュレーションをGPUを用いて高速に実行する方法に関して発表しました.また,古市先生のタイトルは"A Proposal of Hierarchical Decision Making Mechanism for Externally Expandable Game AI and its Effectiveness on Multi-core Environment"で,人間の行動モデルをコンピュータ上で効率良くシミュレーションするためのゲームAI構築手法に関して発表しました.開催されたシアトルは米国西海岸ワシントン州の州都で,会場のすぐ近くにはマイクロソフト社の本社がある他,ボーイング社の本社もここにあります.その他,スターバックス,タリーズ,シアトルズベストコーヒー社の本社もある等,世界的に有名な企業の本社がたくさんあることで有名な街です.
国際会議The 16th IEEE Symposium on Design and Diagnostics of Electronic Circuits and Systems (DDECS2013, IEEEの主催で2013年4月8・9・10日にチェコ・カルロヴィヴァリ・Spa Resort Sanssouci Karlovy Varyで開催)で,数理情報工学専攻の大学院博士後期課程2年の 山崎紘史さん(細川研究室所属)の論文 "A Don't Care Identification Method for Test Compaction "が採択され,発表しました. 山崎さんの発表内容は,デジタル情報機器に搭載されているシステムLSI(大規模集積回路)のテストコストを削減するためにテストに必要なテストパターン数を削減するものです.具体的にはシステムLSIのテストのために生成された0と1のテスト集合からドントケアと呼ばれる0でも1でも良い値を抽出するときに、一定数以上のドントケアを抽出しながら,外部入力においてドントケアの分散値を低減する手法を提案し,テスト圧縮に効果的であることを示しました.
2020年11月30日から12月10日まで中国長春の吉林動画学院の主催で開催された今年5年目を迎える「International Student Game Jam 2020」,日本大学からの参加は4年連続で3年生の飯島君が参加しました.日本からは日本大学以外に東京工科大学から5名の学生が参加しました.チームは初日にくじ引きで決まり,韓国,日本,中国の学生6人のTeam12が編成され,チーム名はNonglishと命名したそうです.飯島君は一人でプログラマを担当,今回は初めてオンラインでの実施で,通常は3日間で実施するところを10日間かけ,「西遊記」というテーマで全12チームでゲーム制作の腕を競いました.
Nonglishが制作したゲームは「Fight Over a Book」という三蔵法師が持つ仏典をおっかけて奪う鬼ごっこ型のゲームで,ゲームとしては比較的シンプル,韓国の学生によるデザインが秀逸でした.プレゼンは吉林動画学院の学生が行ったようです.
写真によると,Nonlishはその他の2チームと一緒にベストチーム賞を受賞したとのこと,おめでとうございます!賞状と商品がまもなく送られてくるとのこと,その際には写真を追加で掲載します.
中国長春の吉林動画学院 (Jilin Animation Institute School of Game)で2020年11月30日に開幕された国際ゲームジャムで,古市教授がオープニングスピーチを習志野からオンラインで行いました.日本からの参加者は6人,東京工科大学から5人と日本大学から1名が参加して,12日まで,4カ国の大学生が6名1チームによるゲーム制作を12チームで競いました.
本ゲームジャムに数理情報工学科からは2017年来毎年参加しており今回が4回目.昨年は当時3年生のRichelle Ngoさんが参加して最優秀賞を受賞し,今年は3年生の飯島直大君が参加しました. 他に日本からは東京工科大の5名が参加している他,シンガポール,韓国,中国の各大学から総勢72人が参加し,12チームに分かれて12月12日までゲーム制作が行われています.今年のテーマは「西遊記」,結果は別記事で報告します.
北米ゲーミング&シミュレーション学会(NASAGA)主催の国際会議NASAGA2020が今年はオンラインで開催され,10月24日(土)の午前8時から(日本時間では同日21:30)から大学院生川上智君がBig Data Display Method and Marketing Business Game (MBG) Prototypeというタイトルで試作したマーケティングビジネスゲーム(MBG)について1時間半で発表しました.発表はMBAのデモンストレーションを中心に行い,古市先生と川上智君とがそれぞれ自宅から参加しながら1本のゲームをプレイする形式で行いました.なお,NASAGAへの参加は今回初めてでしたが,教育現場で使うゲームの開発手法や開発事例が多数発表され,今後日本からも多くの教育者が参加すると良いと感じました.
国際会議The 26th IEEE International Symposium on On-Line Testing and Robust System Design (IOLTS2020)が2020年7月13~15日にイタリア・ナポリで開催予定でしたが,COVID-19の感染拡大の影響で バーチャルカンファレンスとしてオンラインでの開催になりました.大学院博士前期課程2年の池ヶ谷祐輝さん(細川研究室所属)の論文" A Test Sensitization State Compaction Method on Controller Augmentation"が採択され,発表しました.
池ヶ谷さんの発表内容は,テスト活性化状態の圧縮に関するものです.前回インド・コルカタで開催されたWRTLT2019で発表したテスト活性化状態を有効状態上に圧縮する手法と無効状態間で圧縮する手法を拡大させて,評価結果を充実させました.
国際会議20th IEEE The Workshop on RTL and High Level Testing (WRTLT2019)が2019年12月13~14日にインド・コルカタ・The LaLiT Great Eastern Kolkataで開催され,数理情報工学専攻の大学院博士前期課程2年の三澤健一郎さん(細川研究室所属)の論文"A Don’t Care Identification-Filling Co-Optimization Method for Low Capture Power Testing Using Partial MaxSAT "が採択され,大学院博士前期課程1年の池ヶ谷祐輝さん(細川研究室所属)の論文" A Compaction Method of Test Sensitization States on Controller Augmentation "が採択され,発表しました.
国際会議32nd IEEE International Symposium on Defect and Fault Tolerance in VLSI and Nanotechnology Systems (DFT2019)が2019年10月2~4日にオランダ・ノールトウェイク(ESA-ESTEC)/デルフト(Delft University of Technology)で開催され,数理情報工学専攻の大学院博士前期課程2年の竹内勇希さん(細川研究室所属)の論文"A State Assignment Method to Improve Transition Fault Coverage for Controllers"がポスタセッションで採択され,発表しました.
宮崎市で開催された国際会議JSST2019において,数理情報工学専攻の大学院博士前期課程1年の花岡佑哉さん(伊東研究室所属)の論文 "Shape Modelling of Plateau Borders of Metal Foam by Implicit Surface"と,学部4年の八木友也さん(伊東研究室所属)の論文 "Implicit Function Generated by Piecewise Polynomial and Radial Basis Function"が採択され,11/6(水)に口頭発表してきました.花岡さんは,近年注目されている「発泡金属」の形状モデリング法について研究しており,今回は「オープンセル」という状態のモデリング手法を提案しました.また,八木さんは,CGやシミュレーションなどに応用される陰関数について研究しており,高速かつメモリ使用量を抑えた陰関数生成法を提案しました.花岡さんは2年連続での国際会議発表となっただけでなく,発表が高く評価され,昨年に引き続き特集号へのフルペーパー投稿の推薦をいただきました.現在,フルペーパーの投稿に向けて執筆中です.
国際会議25th IEEE International Symposium on On-Line Testing and Robust System Design (IOLTS2019)が2019年7月1~3日にギリシャ・ロドス島・Hotel Rodos Palaceで開催され,数理情報工学専攻の大学院博士前期課程2年の石山悠太さん(細川研究室所属)の論文 " A Design for Testability Method for k-Cycle Capture Test Generation” がポスターセッションで採択され,大学院博士前期課程2年の竹内勇希さん(細川研究室所属)の論文" A Controller Augmentation Method to Improve Transition Fault Coverage for RTL Data-Paths"がオーラルセッションで採択され,発表しました.
国際会議DiGRA 2019 KYOTOが京都立命館大学で2019年8月6日(火)〜10日(土)に開催され,世界35カ国から400名を超えるゲームの研究者が集まり,シリアスゲームやゲーミフィケーション等ゲームの力を世の中の問題解決に応用する方法や,ゲームの芸術表現,eSports等ゲームの観戦と人との関係,知的所有系や法整備等,10のトラックに分かれて250の研究発表を行いました.参加者の中には女性研究者が非常に多く,また博士後期課程在学中の学生が多く,海外にはゲームで学位を取得する学生が多いのに比べて,日本ではゲームを学ぶ学生の多くが大学院へは進学しないという国の違いが大きく出たように思います.そのような事情の中,数理情報工学科の学生と教員はこの学会で次のような大きな役目を果たし,世界におけるデジタルゲーム研究における日本大学の存在感を大きくアピールできました.
国際会議The 19th IEEE Workshop on RTL and High Level Testing (WRTLT2018)が2018年10月18~19日に中国・合肥・Westin Hotel Baohe Hefeiで開催され,数理情報工学専攻の大学院博士前期課程1年の石山悠太さん(細川研究室所属)の論文 " A Controller Augmentation Method for k-cycle Capture Test Generation Using Partial Scan Designs” と,大学院博士前期課程1年の竹内勇希さん(細川研究室所属)の論文" A Design for Testability Method to Improve Transition Fault Coverage Using Controller Augmentation at Register Transfer Level"が採択され,発表しました.
石山さんの発表内容は,デジタル情報機器に搭載されているシステムLSI(大規模集積回路)のテスト容易化設計に関するものです.具体的にはコントローラと呼ばれる状態遷移機械でモデル化されたハードウェア中のレジスタを可制御・可観測にし,さらにデータパスの中の演算器などのハードウェア要素がkサイクル間で容易にテストできるように,コントローラの無効状態と呼ばれる空間にテスト可能な制御信号を出力するコントローラ拡大という手法を提案しました。この研究内容は株式会社ソシオネクスト社(富士通とパナソニックのLSI設計部門が母体となって設立された会社)との共同研究によるものです.
竹内さんの発表内容は,システムLSIの遷移故障と呼ばれるタイミング欠陥をモデル化した故障の検出率を向上させるためのテスト容易化設計に関するものです.具体的には,コントローラから生成される制御信号で検出不能なデータパス中のマルチプレクサやレジスタの故障をテストできるように,コントローラ拡大手法を提案しました.その結果,データパス中の遷移故障検出率を3.7%向上させることができました.
2019年4月2日,数理情報工学科にはアムステルダム応用科学大学(HvA)から4名の先生方が来られました.HvAからは2015年以降スティーブン,マーチン,ナオミ,ダニエルの4人の学生がそれぞれ5ヶ月間留学生として滞在し,日本人の学生とチームを組んでソフトウェアの開発を行いました.しかし,まだ数理情報工学科の学生がHvAへ留学するケースは希望者がいないため実現しておらず,今回の訪問は将来のそのような可能性について相談するためでした.米国への留学も魅力的ですが,HvAでは英語によるPBL型のプログラムが用意されており,数理情報工学科で3年生が各研究室で実施する「数理情報工学演習」と似た形式で,オランダをはじめとする周辺諸国からの学生と一緒にソフトウェアを開発することができます.興味のある学生は,数理情報工学科の古市先生までお問い合わせください.